みなさん、実際にリアルにある東京をメタバース上に作りたいと思ったことはないでしょうか。ありますよね(強制)。
では最初に思いつく方法はなんでしょうか。僕は東京の写真を見たり、Googleマップのストリートビューを見ながら地道に街を作っていく方法しか思いつきませんでした。
そんな中ネットサーフィンをしていると素晴らしすぎるプロジェクト見つけました。それはPLATEAUです。PLATEAUは国土交通省が推進している特大プロジェクトで日本の街を3Dデータにして無料で公開してしまおうというものです。
今回はこのPLATEAUの詳細を解説していきます。
PLATEAUの始まり
PLATEAUは2020年にPLATEAU VIEW ver0.1.0がリリースされ始まりました。国土交通省を中心に3つの目的として進められました。
- 3D都市モデルの整備
- ユースケースの開発
- 整備・活用の機運・ムーブメントの醸成
3D都市モデルの整備は具体的には都市の3Dデータを誰でも自由に使える状態にすることを目指しました。国際標準に基づいたフォーマットで実装することで汎用性の高いものを実現しています。またユースケースの開発をしながら実際にいろいろな活用方法を検証していくことで多くの人に利用してもらえることを目指しました。
初めは東京23区のモデルから始まりましたが2021年になりver0.2から福岡、大阪、茨城が追加され、その後もどんどん増えていきました。
PLATEAUの特徴
PLATEAUはただの3Dモデルデータではありません。それぞれの建物は名前や建設された年などの属性を持っています。建物だけでなく川なども同様です。そのため災害対策や人の流れのシミュレーションなどに活用されることが期待できます。
また建物データ内では窓の位置なども実装されているものがあります。そのためリアルに非常に近いメタバースへの応用なども期待できます。ただし、グラフィックはそこらのゲームほどのクオリティはありません。あくまで3Dモデルの根幹を成す部分を構成しています。PLATEAUを活用したメタバースの構築ではグラフィックデザイナーとPLATEAUの強みを掛け合わせることでより良いものが作っていけそうです。
PLATEAUのイマ
2020年から始まったPLATEAUですが2023年現在はどうなっているでしょうか?主なリリース点をまとめてみました。
- 全国各地の3Dモデルを追加
- 歩行者モードの実装
- 災害リスクモデルの追加
- 人流データの追加
- バス関連リアルタイム情報の追加
都市部だけでなく地方のモデルも追加されていました。また、歩行者モードが実装されておりUnrealEngineなどを用いなくてもリアルなメタバース体験ができます。他にも災害や人流のデータが追加されておりシミュレーションをするのに便利なデータが追加されています。
PLATEAUの実用例
PLATEAUはすでに様々なところで活用されています。三越伊勢丹ホールディングスが開発した「REV WORLDS(レヴワールズ)」はPLATEAUを使って実装されています。新宿三丁目エリアを中心にVR内で街並みを楽しんだり、実際に物を買ったりできます。スマホでアプリをダウンロードして簡単に使えるのでぜひ使ってみてください。
VRだけでなくARでも実証実験が行われました。MESON(メザン)と博報堂DY ホールディングスはリアルで撮影している映像とPLATEAUの3Dデータを組み合わせることによりARデバイスでリアルタイムに周辺のお店の情報などを取得できるようにしました。建物情報を利用し様々なコンテンツをAR上に表示するなど今までにないARコンテンツが作成できたそうです。
次回: PLATEAU VIEWで実際に動かしてみる
PLATEAUには PLATEAU VIEWというブラウザで動かせるアプリが公開されています。これを使って簡単に都市モデルを体験できます。次回はこのPLATEAU VIEWを実際に使っていきたいと思います、